あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
毎年新しい年を迎えると、読み返したくなるみじかい文章がいくつかあって、
そのひとつが武者小路実篤の「ますます賢く」です。
「僕も89歳になり、少し老人になったらしい。
人間もいくらか老人になったらしい、人間としては少し老人になりすぎたらしい。いくらか賢くもなったかも知れないが、老人になったのも事実らしい。しかし本当の人間としてはいくらか賢くなったのも事実かも知れない。本当のことはわからない。
しかし人間はいつ一番利口になるか、わからないが、少しは賢くなった気でもあるようだが、事実と一緒に利口になったと同時に少し頭もにぶくなったかも知れない。まだ少しは頭も利口になったかも知れない。然し進歩したつもりかも知れない。
ともかく僕達は少し利口になるつもりだが、もう少し利口になりたいとも思っている。
皆が少しずつ進歩したいと思っている。人間は段々利口になり、進歩したいと思う。皆少しずつ、いゝ人間になりたい。
いつまでも進歩したいと思っているが、あてにはならないが、進歩したいと思っている。
僕達は益々利口になり、いろいろの点でこの上なく利口になり役にたつ人間になりたいと思っている。
人間は益々利口になり、今後はあらゆる意味でますます賢くなり、生き方についても、万事賢くなりたいと思っている。
ますます利口になり、万事賢くなりたく思っている。我々はますます利口になりたく思っている。
益々かしこく。」
この老作家の文章に、どうしてか僕は勇気をもらう。
そして、ますます賢くなりたいと素直に思う。
だから今年は勉強しよう。
というわけで、読書会のお知らせです。
2011/1/21(金) 19:00-21:00
読書会 vol.2『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル
今回は、第5章「重要なのは動機─イマヌエル・カント」を丁寧に読んでいきます。
自由や義務、動機といった言葉に日常的な用法とは異なった意味が与えられているのに気が付きます。このあたりの語をしっかりと押さえて、カントの考えのエッセンスに触れることを一応の目標とします。
今回からの参加も可能です。お気軽にお問い合わせください。
ご予約・お問い合わせ 千年一日珈琲焙煎所(1001coffee@gmail.com / 029-875-5092)